特許取得までの流れ
産業の発展に役立つ発明を完成させても、直ちに特許権が生じるわけではありません。
特許権は、特許庁に出願し、その発明が特許の要件を満たしているか否かの審査を通過して、特許原簿に登録されることによって、初めて権利として成立します。
特許の取得手続きは複雑な部分がありますが、以下では特許取得手続きの概略を紹介します。
(1)特許の出願
(2)方式審査
(3)出願公開
(4)審査請求
(5)実体審査
(6)特許査定・登録
■(1)特許の出願
発明が完成したら、特許出願書類(願書、明細書、特許請求の範囲、図面、要約書)を作成し、特許庁に出願します。
書類で出願する方法と、インターネットを通じて出願する方法がありますが、現在はインターネットをを用いた電子出願が増加しています。
書類で出願する場合は、「特許出願書類の書き方ガイド」(https://www.inpit.go.jp/blob/archives/pdf/patent.pdf)などを参考にしながら書類を作成しましょう。作成した書類の指定の個所に特許印紙を貼り付けた後、特許庁の受付窓口へ直接持参するか郵送で提出します。
インターネットで出願する場合は、専用のソフトウェア(インターネット出願ソフト)と電子証明書を用いて、出願します(電子出願ソフトサポートサイトhttp://www.pcinfo.jpo.go.jp/site/1_start/index.html)。
■(2)方式審査
次に、出願が法令に定められた方式に適合しているか否かの審査を行います。
あくまで手続き的・形式的な要件を満たしているかどうかのチェックで、実体審査とは異なります。
提出された書類に手続き上の不備がある場合は、補正命令が発せられ、所定の期間内に補正しなければ、手続きが却下されます。
出願手続きに補正できない不備がある場合も同様に手続が却下されます。
■(3)出願公開
方式審査を通過した出願は、出願から1年6か月を経過すると一律に、出願日や出願した者の氏名などとともに、明細書、特許請求の範囲、図面の内容、要約書等が特許公報(出願公開公報)で公表されます。
1年6か月を経過する前であっても、早期の公開を希望する者は申請により出願公開を行ってもらうことができます(早期出願公開制度)。
出願が公開されると、出願者は出願された発明を無断で実施している者に対して補償金請求を行うことができます。
■(4)審査請求
特許庁は、出願された発明をすべて審査するわけではありません。特許出願から1年6か月を経て出願公開された出願は、その後、特許出願から3年以内に審査請求があった時に限って実体審査に入ります。審査請求の際、審査請求料の支払いが必要です。
審査請求は出願した者でなくとも第三者がすることもできますが、出願から3年以内に請求がないと、出願は取り下げられたものとみなされます。
■(5)実体審査
審査請求がなされると、特許庁の審査官によって、出願された発明が特許の要件を満たしているかどうかを審査されます。この実体審査では、法律で規定された拒絶要件を満たしているか否かを審査し、拒絶要件がある場合はその拒絶理由を記載した書面(拒絶理由通知書)を出願者に送付します。
出願者は拒絶理由を解消するため、意見書を提出して応答したり、補正書を提出して審査官の指摘した点を回避したりする手続きをとることになります。
審査請求から審査官による審査結果の最初の通知までの期間は、平均9.5か月とされ、特許庁の努力により急速に期間短縮化が図られています。
審査官が拒絶理由があると最終的に判断した場合、拒絶査定が通知されます。この査定に不服がある者は拒絶査定不服審判を請求することができます。
■(6)特許査定・登録
出願された発明が特許要件を満たしていると判断されると、特許査定がなされます。そして、出願者が特許料を納付すると、その発明は特許原簿に登録されます。設定登録がされた始めて特許権が発生します。特許原簿に登録後は、特許証が出願者に送付されます。
なお、特許を取得するまでの費用は、特許請求の範囲に記載する請求項の数にもよりますが、出願時の費用や審査請求料、特許料を合計すると80~100万円程度かかります。もっとも、多額の費用をかけても必ずしも特許が認められるとは限らない点に注意しましょう。
髙﨑法律事務所は、東京都渋谷区、目黒区、新宿区、港区、千代田区、世田谷区、大田区、文京区、品川区、中央区などの23区をはじめ、埼玉県、神奈川県、千葉県を中心に、IT分野、製薬分野、化学分野、機械分野の特許に関するご相談を承ります。
当事務所は特許・知財分野を専門的に扱っており、クライアント様にとって最適な解決策をご提案いたします。
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弁護士紹介Lawyer
私は日本の法律事務所での弁護士業務だけではなく、米国の法律事務所でも経験を積み、事務所を開設いたしました。
特許に関する訴訟やトラブル、企業法務は専門的な知識だけではなく、多数の現場経験が必要不可欠です。
皆様のお力になれるよう最適な解決策のご提案に努めておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
所属団体
- 第一東京弁護士会所属
経歴
-
1993年
東京大学法学部卒業
-
1995年
第一東京弁護士会弁護士登録(47期)
西村総合法律事務所(現西村あさひ法律事務所)入所 -
1998年
兼子・岩松法律事務所に移籍
-
2003年
米国ニューヨーク大学ロースクールLL.M(法学・修士号取得)
米国ニューヨーク州司法試験合格
米国法律事務所(Andrews Kurth L.L.P)(テキサス州ダラス)においてアソシエイトとして勤務 -
2005年
新保法律事務所に移籍
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2011年
新保・髙﨑法律事務所(パートナー)
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2017年
増田パートナーズ法律事務所参加(パートナー)
-
2019年
髙﨑法律事務所開設
著書
- 知的財産権辞典/共著・三省堂 (2001年)
- コンサイス法律学用語辞典/共著・三省堂 (2003年)
その他
- 日本債券信用銀行内部調査委員会副委員長補佐(1999年1月)
- 東邦生命相互保険会社内部調査委員会委員長補佐(1999年6月)
- 大正生命保険株式会社内部調査委員会委員長補佐(2000年10月)
- ワシ興産株式会社、ワシマイヤー株式会社および
アサヒオプティカルの会社更生管財人代理(2012年11月) - 日本知的財産協会講師
- Asialaw Leading Lawyer 2018 in Intellectual Property
事務所概要Office Overview
事務所名 | 髙﨑法律事務所 |
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