個人開発でゲームにAIを活用する際の手続きと注意点
個人でゲームを開発する際に、生成AIで素材を作ったり、AIを使った仕組みをゲームへ組み込んだりするケースが増えています。
一方で、AIの活用には特許や著作権に関わる論点が多く、知らないうちにトラブルへつながりかねません。
本記事では、個人開発でゲームにAIを活用する際の手続きと注意点を説明します。
AIを活用したゲームの仕組みは特許の対象になる
敵キャラクターの動きをAIで変化させる処理や、プレイヤーの実力に合わせて難易度を自動調整するシステムは、特許の対象となる発明に当たり得ます。
特許は企業だけのものではなく、個人開発者でも特許庁へ出願して権利を取得することが可能です。
独自の仕組みを特許で保護しておけば、他社に模倣された場合に差止めや損害賠償を求める根拠になります。
特許出願の手続きの流れ
AIを使った仕組みで特許を取得するまでの手続きは、次のとおりです。
- 先行技術調査を行い、同じような仕組みが既に出願されていないか確認する
- 特許庁へ願書や明細書を提出して出願する
- 出願から3年以内に審査請求を行う
- 審査を通過した後、特許料を納めて登録を受ける
注意したいのは、出願前にゲームの仕組みをSNSや配信で公開すると、新規性を失って特許を取得できなくなるおそれがある点です。
体験版の配布や開発過程の発信は、出願を済ませてから行うのが安全といえます。
AIならではの法的リスクを押さえる
AIの活用には、通常のゲーム開発にはない落とし穴もあります。
発明者としてAIを記載できない
特許の出願書類に発明者として記載できるのは、自然人に限られます。
知財高裁も2025年1月30日の判決で、AI自体を発明者とする出願は認められないとの判断を示し、2026年3月には最高裁の決定が確定しました。
AIの提案をもとに仕組みを考えた場合でも、その内容を理解して発明として完成させた開発者本人を発明者として記載することになります。
生成AIで作った素材には著作権リスクがある
生成AIで作成した画像やシナリオが既存の作品と似ている場合、著作権侵害と判断されるおそれがあります。
また、人の創作的な関与がなくAIが自動で生成しただけの素材には、著作権が発生しない可能性がある点にも注意が必要です。
権利が発生しなければ他者からの模倣を防ぎにくくなるため、指示の工夫や修正の過程を記録しておくことが望まれます。
あわせて、利用する生成AIツールの規約で、商用利用の可否や生成物の権利の帰属も確認しておきましょう。
まとめ
AIを活用したゲームの仕組みは、個人開発であっても特許出願による保護が期待できます。
一方で、発明者の記載や生成AI素材の著作権のように、AIならではのリスクへの目配りも欠かせません。
ゲーム特許の出願やAI活用の法的リスクにお悩みの方は、ゲーム特許の相談に対応する髙﨑法律事務所までお気軽にご相談ください。
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弁護士紹介Lawyer
私は日本の法律事務所での弁護士業務だけではなく、米国の法律事務所でも経験を積み、事務所を開設いたしました。
特許に関する訴訟やトラブル、企業法務は専門的な知識だけではなく、多数の現場経験が必要不可欠です。
皆様のお力になれるよう最適な解決策のご提案に努めておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
所属団体
- 第一東京弁護士会所属
経歴
-
1993年
東京大学法学部卒業
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1995年
第一東京弁護士会弁護士登録(47期)
西村総合法律事務所(現西村あさひ法律事務所)入所 -
1998年
兼子・岩松法律事務所に移籍
-
2003年
米国ニューヨーク大学ロースクールLL.M(法学・修士号取得)
米国ニューヨーク州司法試験合格
米国法律事務所(Andrews Kurth L.L.P)(テキサス州ダラス)においてアソシエイトとして勤務 -
2005年
新保法律事務所に移籍
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2011年
新保・髙﨑法律事務所(パートナー)
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2017年
増田パートナーズ法律事務所参加(パートナー)
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2019年
髙﨑法律事務所開設
著書
- 知的財産権辞典/共著・三省堂 (2001年)
- コンサイス法律学用語辞典/共著・三省堂 (2003年)
その他
- 日本債券信用銀行内部調査委員会副委員長補佐(1999年1月)
- 東邦生命相互保険会社内部調査委員会委員長補佐(1999年6月)
- 大正生命保険株式会社内部調査委員会委員長補佐(2000年10月)
- ワシ興産株式会社、ワシマイヤー株式会社および
アサヒオプティカルの会社更生管財人代理(2012年11月) - 日本知的財産協会講師
- Asialaw Leading Lawyer 2018 in Intellectual Property
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