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ソフトウェア特許とは?取得までの流れや必要な要件など

PCやスマホなどで利用するソフトウェアにも特許というものが存在します。

こういったコンピュータ装置のプログラムを保護する特許をソフトウェア特許と呼び、ほかの特許同様特許庁に申請する形になります。

では、ソフトウェア特許とはどのようなもので、どのような要件が求められるのか。

この点を中心に解説していきます。

ソフトウェア特許とは?

自社で開発したソフトウェアの特許を取得する理由として、そのソフトウェアの権利を保護することが目的です。

ソフトウェア特許を取得するメリット

ソフトウェア特許を取得することで、そのソフトウェアの販売を独占することができます。

ソフトウェア特許は出願した日から20年間、特許権が保護されますので、長期間にわたって、ライバル企業に対して優位に販売・展開ができるのが大きなメリットです。

ソフトウェア特許を取得するデメリット

ソフトウェア特許を取得するデメリットとしては、その特許の発明内容が公開されるという点です。

特許出願から1年半が経過すると、独立行政法人工業所有権情報・研修館が運営する「特許情報プラットフォーム J-Platpat」にて、その発明内容が公開されます。

ライバル企業なども当然閲覧できる情報となりますので、その点ではデメリットといえるでしょう。

ソフトウェア特許取得に必要な要件

ソフトウェア特許は、ほかの特許と同様に、出願し審査を受けて取得ができるかどうかが決まります。

ソフトウェア特許の審査で重視されるのは主に2点です。

「新規性」と「進歩性」です。

この2点について解説していきましょう。

新規性を有する

新規性に関しては、ソフトウェアに限らず、すべての特許に求められるもので、これまで世の中になかったものであると言い換えることができます。

ソフトウェア特許の場合、特許取得前に自社が発表する、販売を始めるなど、世間一般に公表してしまうと、新規性がないものとして特許の取得が難しくなります。

進歩性を有する

進歩性を判断するのは、「専門家チーム」と呼ばれる方々です。

この専門家チームには、ソフトウェア、ハードウェアに関する専門的な知識を有する方(当業者)がチームを組んで判断します。

進歩性は、当業者が思いつかなかったような発明であるという点で審査されますが、審査の明確な基準が示しにくいという特徴もあります。

ソフトウェア特許取得の流れ

ソフトウェア特許を取得するためには、特許庁に出願し審査に通過する必要があります。

その手順を確認しておきましょう。

また、特許申請の際、専門家である弁護士にその業務を依頼した場合の費用相場なども合わせて紹介していきます。

特許庁に特許を出願する

まずは何より出願です。

出願に必要な費用相場は3040万円程度です。

弁護士としっかり相談し、その後の流れも確認しながら依頼しましょう。

出願審査請求を行う

特許を出願してから3年以内に出願審査請求を行います。

出願審査請求までに時間がかかるのは、必要書類や資料が膨大になるケースが多いからです。

出願審査請求を行うと審査が行われ、その結果は11年半後に報告されます。

出願審査請求に必要な費用相場は1520万円程度とされています。

申請が拒絶された場合

審査の結果、特許が認められると「特許査定」という通知が届き、30日以内に3年分の特許料を納付することでソフトウェア特許の取得が認められます。

特許料を納付するために必要な費用は1020万円程度です。

 

一方審査に通らない場合、「拒絶理由通知」か「拒絶査定」が届きます。

拒絶理由通知には、審査に通らなかった理由が示されていますので、その理由に対する意見書や手続補正書を60日以内に提出することで、再審査を受けることができます。

拒絶査定は審査に通らなかったことを通知するもので、その結果に不服がある場合は、拒絶査定不服審判の請求が可能です。

まとめ

ソフトウェア特許とは、新規性と進歩性を併せ持つ新しいプログラムを保護するためのシステムです。

ソフトウェア特許を取得することで、同業他社に対し優位に業務を展開できるようになるでしょう。

ただし、ソフトウェア特許の申請には細かな要件があり、また長い時間が必要になります。

自力での申請が難しいという方は、特許申請、知的財産保護に強い弁護士に相談するのがおすすめです。

ソフトウェア特許に強い弁護士に相談することで、特許を申請すべきかという点から、どのような手順で進めるかなどのサポートを受けることができます。

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髙﨑 仁弁護士
髙﨑 仁Jin Takasaki

私は日本の法律事務所での弁護士業務だけではなく、米国の法律事務所でも経験を積み、事務所を開設いたしました。

特許に関する訴訟やトラブル、企業法務は専門的な知識だけではなく、多数の現場経験が必要不可欠です。

皆様のお力になれるよう最適な解決策のご提案に努めておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

所属団体

  • 第一東京弁護士会所属

経歴

  • 1993年

    東京大学法学部卒業

  • 1995年

    第一東京弁護士会弁護士登録(47期)
    西村総合法律事務所(現西村あさひ法律事務所)入所

  • 1998年

    兼子・岩松法律事務所に移籍

  • 2003年

    米国ニューヨーク大学ロースクールLL.M(法学・修士号取得)
    米国ニューヨーク州司法試験合格
    米国法律事務所(Andrews Kurth L.L.P)(テキサス州ダラス)においてアソシエイトとして勤務

  • 2005年

    新保法律事務所に移籍

  • 2011年

    新保・髙﨑法律事務所(パートナー)

  • 2017年

    増田パートナーズ法律事務所参加(パートナー)

  • 2019年

    髙﨑法律事務所開設

著書

  • 知的財産権辞典/共著・三省堂 (2001年)
  • コンサイス法律学用語辞典/共著・三省堂 (2003年)

その他

  • 日本債券信用銀行内部調査委員会副委員長補佐(1999年1月)
  • 東邦生命相互保険会社内部調査委員会委員長補佐(1999年6月)
  • 大正生命保険株式会社内部調査委員会委員長補佐(2000年10月)
  • ワシ興産株式会社、ワシマイヤー株式会社および
    アサヒオプティカルの会社更生管財人代理(2012年11月)
  • 日本知的財産協会講師
  • Asialaw Leading Lawyer 2018 in Intellectual Property

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