GDPRにおける十分性認定とは?

2019年1月23日、日本がアジアで初めてとなる十分性認定を受けたことで話題となりました。

同認定を受けたことによるメリットを享受した企業も数多くある一方、個人情報保護のあり方や、ビジネスモデルについて見直す必要性も新たに生じたということができます。

以下、十分性認定を受けることによる影響、今後注意すべき事項等について解説していきます。

GDPRとは

GDPRとは、2018年5月に施行された規則であり、EU域内の個人情報を保護することを目的としています。

同規則は、EU域内のルールであるとはいえ、その罰則は世界全域に適用される可能性があります。

さらに、同規則が定める違反時の罰則は、①前年度の売上の4%または②2000ユーロであり、非常に厳格なものです。

十分性認定を受けることのメリット

十分性認定とは、EUGDPR(一般データ保護規則)45条に基づき欧州委員会が行う決定であり、EU域外の国や地域が、十分なデータ保護の水準を確保していると認められる場合になされる認定です。

 

では、上記認定を受けることのメリットはどのような点にあるのでしょうか。

 

GDPRでは、原則として、EU域外への個人商法の持ち出しを禁止しています。

そして、個人情報の持ち出しが例外的に認められるためには、データ移転元とデータ移転先との間で、欧州委員会が定めたひな型に基づく契約の締結が必要とされます。

従って、従来は、EU圏内に支店を有していたり、EU圏内にサービスの提供をしている日本企業が、EU圏内の個人情報を持ち出す際には、上記契約手続きを履践する必要があったため、莫大な時間とコストを要していました。

もっとも、十分性認定を受けた国は、上記契約手続きを履践することなく個人情報を持ち出すことが認められています。

したがって、日本が十分性認定を受けたことに伴い、日本国内の企業は、煩雑な手続きを経ることなく個人情報を持ち出すことが可能となり、コスト削減や経済活動の拡大といったメリットを享受することとなりました。

今後の注意点

もっとも、個人情報の持ち出しがスムーズになったとはいえ、GDPRが定める他の個人情報保護規制自体は免除されません。

したがって、今後も、GDPRの規制対象となる企業は、個人情報の暗号化や個人情報収集の際の同意取得など、個人情報保護のための施策を徹底する必要があります。

企業法務についてのご相談は髙﨑法律事務所におまかせください

今後、従来の経済活動の更なる拡大や新たなビジネスモデルの展開にあたっては、個人情報を保護するためのスキームを確立することが必要不可欠となります。

髙﨑法律事務所では、個人情報保護に関する相談も取り扱っておりますので、ぜひご相談いただければと存じます。

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髙﨑 仁弁護士
髙﨑 仁Jin Takasaki

私は日本の法律事務所での弁護士業務だけではなく、米国の法律事務所でも経験を積み、事務所を開設いたしました。

特許に関する訴訟やトラブル、企業法務は専門的な知識だけではなく、多数の現場経験が必要不可欠です。

皆様のお力になれるよう最適な解決策のご提案に努めておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

所属団体

  • 第一東京弁護士会所属

経歴

  • 1993年

    東京大学法学部卒業

  • 1995年

    第一東京弁護士会弁護士登録(47期)
    西村総合法律事務所(現西村あさひ法律事務所)入所

  • 1998年

    兼子・岩松法律事務所に移籍

  • 2003年

    米国ニューヨーク大学ロースクールLL.M(法学・修士号取得)
    米国ニューヨーク州司法試験合格
    米国法律事務所(Andrews Kurth L.L.P)(テキサス州ダラス)においてアソシエイトとして勤務

  • 2005年

    新保法律事務所に移籍

  • 2011年

    新保・髙﨑法律事務所(パートナー)

  • 2017年

    増田パートナーズ法律事務所参加(パートナー)

  • 2019年

    髙﨑法律事務所開設

著書

  • 知的財産権辞典/共著・三省堂 (2001年)
  • コンサイス法律学用語辞典/共著・三省堂 (2003年)

その他

  • 日本債券信用銀行内部調査委員会副委員長補佐(1999年1月)
  • 東邦生命相互保険会社内部調査委員会委員長補佐(1999年6月)
  • 大正生命保険株式会社内部調査委員会委員長補佐(2000年10月)
  • ワシ興産株式会社、ワシマイヤー株式会社および
    アサヒオプティカルの会社更生管財人代理(2012年11月)
  • 日本知的財産協会講師
  • Asialaw Leading Lawyer 2018 in Intellectual Property

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髙﨑 仁弁護士